戸籍改革が年内に始動、都市と農村の同等待遇実現へ 広州

広州市が推進する「都市・農村戸籍一元化」制度改革が重要な一歩を踏み出した。
「都市・農村戸籍制度改革の実施に関する意見」が29日正式に発布され、
「農業戸籍」と「非農業戸籍」を取消、「広州住民戸籍」として統一登記することになった。
広州「都市・農村戸籍一元化」改革は今後3ステップに分けて行われる。
第1ステップでは、「農業戸籍」と「非農業戸籍」の区分を取消、
両者を「広州市住民戸籍」として統一登記、戸籍制度一元化の総体的枠組みを形成する。
市内南沙区、蘿崗区を最初の改革地域とし、
早ければ1年以内の都市・農村戸籍制度改革の実現を目指す。
また、一部の地域での農業戸籍改革の推進と同時に、
広州市は今後1年以内に全市10区2市の非農業戸籍者をすべて広州市住民戸籍に転籍する。
新制度開始のあかつきには、公安部門は広州市住民戸籍保管資料に
元農業戸籍者と元非農業戸籍者を注記するほか、社会保険部門、労働就業部門、
計画出産部門、国土部門などでもまた相応の注記を設け、身分に基づき異なる政策を適用する。
第2ステップの「過渡期」を経た後、各部門は徐々に関連政策を改革、
都市・農村の「同じ住民、同等待遇」を実現する。この基礎の上で第3ステップに入り、
公安部門は農業戸籍者と非農業戸籍者の注記を取消、真の「戸籍一元化」を実現する。

資料:
1958年1月,「中華人民共和国戸籍登記条例」制定を境に、
中国政府は人口の自由な流動に対して厳格な制限と政府による管理規制を開始した。
この時初めて都市と農村の住民を「農業戸籍」と「非農業戸籍」
という2種類の異なる戸籍に明確に区分した。
その後条例の修正を通じて、幾度にもわたり「農業戸籍」を「非農業戸籍」に転籍する制限を緩和、
しかし戸籍は現在でも依然として「農業戸籍」と「非農業戸籍」
の2種類の異なる戸籍に分かれている。

GDPで全国の10分の1以上を占める広東省からスタートされるこの改革法案。
広州限定で始まるわけだが、都市部と農村部での差別的要素、収入的要素が、
名目上緩和されることになる。
現状、景気底打ち感は回復し、広東省の生産工場の稼働率は回復してきているが、
そこで働く出稼ぎ労働者が、帰ってこない人材不足に悩まされている。
ある程度の技巧を持った労働者を、リーマンショックで解雇してしまい、
品質のよい商材が提供できるかも、この地域の問題になるだろう。
人間は人間であり、人情を持って行動しなければならない要素もビジネスには
少なからず残っているだろう。賃金だけの問題ではない。
人間としての扱いをするという事が、中国生産工場側の改革の一つだろうと感じる部分である。
中国 都市と農村