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中国の今

中国の今

変化する中国の今をお伝えします。

 

北京五輪後の中国の行く末。

北京五輪が開幕した。
その開幕式の時間、上海の街はひっそりとしていた。
TV視聴率90パーセントと言われる所以。
この状況を見て、株価が大幅下落した時期の上海と同じ。
全く別な観点だが、こんだけ庶民が街から消えると言うのも問題かもしれない。
ダイアモンドという雑誌のネット記事で、興味深い記事が有ったのでご紹介します。

都市から、庶民が消える事は、この先有るのだろうか?


「北京五輪後の中国経済“光と影”」

北京五輪の開催を直前に控え、現在、中国は世界で最も注目を集める国となっている。しかし、高い経済成長率や五輪開催という輝かしい“光”の部分とは裏腹に、中国は、環境汚染や経済格差など、様々な“影”を抱えている。最近では、国民の抗議行動や暴動などの件数が増加しているという。

 米国の次に来ると目される“覇権国候補ナンバーワン”の中国には、間違いなく“光と影”がある。中国経済は高成長を続けているものの、世界的に景気にブレーキがかかるなか、中国の輸出にもやや影が出始めている。
今年上半期の経済成長率は10.1%に低下した。

 それを反映して株価の低迷が続いており、株式市場に一時期の勢いはない。損失を抱えた個人投資家も多いようだ。また、原油や一部穀物価格の上昇もあり、足元のインフレ率は7%台後半に上昇している。

 政府は、金融政策を動員して物価上昇の抑制に取りかかっているが、今のところ目立った効果は出ていない。インフレが高進すると、国民の不満が増幅されることも考えられる。当分、中国の“光と影”から目を離せない。

輸出依存の“世界の工場”
高い固定資産投資の割合もネックに
 中国はケタ違いの国だ。13億人の人口を擁し、年率10%を超える経済成長を続けている。1980年代、日本が維持していた“世界の工場”の地位は、すでに中国に奪われてしまった。それだけ大きな国が、それだけの高い成長を達成しているのだから、必要とするエネルギー資源や穀物は半端ではない。天然ゴムの世界生産量の半分程度が中国で使われているという。

 また、人口が多いぶん、食料品の消費もスケールが違う。中国の消費拡大は、世界的に小麦や大豆などの価格を高騰させる一因にもなった。
 
 その中国の経済構造について、2つのポイントを頭に入れておくとわかり易い。1つは輸出依存度が高いことだ。やや意外かもしれないが、GDPの3割以上を輸出に依存している。貿易立国といわれるわが国の輸出依存度が10%台後半であることを考えると、いかに中国経済が輸出に頼っているか明らかだ。そのため、中国経済は予想以上に「外部要因=世界経済の動き」に影響を受けやすいのである。

 もう1つは、固定資産投資の割合が高いことだ。中国のように社会資本蓄積が相対的に低い新興国では、社会インフラなどを作らなければならない。その意味では、この傾向は当然といえる。ただ、固定資産投資には、橋や道路、港湾施設などの建設に加えて、企業などの投機的な不動産投資なども含まれる。「不動産に投資して一儲けしてやれ」という経済活動が盛んなのだ。固定資産投資の比重が高いことは、中国人の一種の“ギャンブル好き”の国民性を表しているといえる。

こうして見ると、世間で報じられている以上に、中国経済には意外なほど脆弱な面があることがわかる。世界経済にブレーキがかかり、輸出が減少し、人々が投機を手控え始めると、現在の高成長を維持することが難しくなる。そうした脆弱性を克服するためには、中国経済はどこかの時点でモデルチェンジを行わなければならない。

 具体的には、輸出主導から国内需要主導型へと経済体質を変えることが必要になる。ただ、それは口で言うほど容易なことではない。今後、中国政府は、モデルチェンジを試行するはずだが、それが上手く行く保証はない。仮に、それができないと、中国経済はいつまでも外部要因に左右されやすい脆弱な構造が続くことになる。それでは、世界の“覇権国”にのし上がることは困難になるかもしれない。

格差、環境汚染、未熟な金融市場
国内問題の“影”も山積
 経済構造の脆弱性に加えて、国内には頭の痛い難問が山積している。最も重要な問題は“経済格差”だろう。中国の国土は気が遠くなるほど広い。その広い国土に13億人の人が住んでいる。中国を、わが国のような「均質国家」と考えるのは間違いだ。色々な国が、中国という小世界に同居していると考えればよい。

 様々なカルチャーや習慣、生き方をしている人がいる。国土が広く、様々な人々がいるため、どうしても国民の生活にはバラツキが生じる。それは、色々な格好で格差に結びつく。

 特に“経済格差”は顕著だ。高い経済成長の恩恵に浴しているのは、沿岸部に住むせいぜい数億人と言われている。それ以外の人々は、経済成長にあまり縁のない人々である。13億人の内、約6割に当たる8億人が経済的に遅れた地域に住んでいるという。高い経済成長が始まって、先頭集団は速度を上げて富を手に入れているのだが、置いて行かれた後方集団は、どんどん取り残されるという状況だ。

 問題は、こうした状況に不満を蓄積する人々が増えていることだ。その不満は、いつか爆発すると考えられる。不満が本格的に爆発するようなことになれば、国家の首脳陣は現在の政権を維持することが難しくなるだろう。元々、中国の歴史を振り返ると、貧困層の不満が爆発して暴動や革命が起き、それによって次々に新しい政権が誕生するサイクルを繰り返してきた。その歴史が、今後、再び繰り返される可能性もある。

 そのほかにも、環境汚染や金融市場整備の遅滞など“影”の部分は枚挙に暇がない。政府がすぐに手をつけなければならない難問は沢山ある。それぞれに優先順位をつけて解決を図ることになるのだろうが、技術蓄積が遅れている中国が、自力ですべての問題を解きほぐすことは容易なことではない。いずれも、他国の企業などに助けを求めることになるだろう。

その場合、今までのように、上手く多国籍企業などの力を利用しながら、自国企業を育成することができるか否かが大きなポイントになる。

 短期的に見ると、中国経済は、今後やや苦しい状況を迎えることになるだろう。米国のサブプライム問題の顕在化以降、世界経済の減速は鮮明化している。中国の輸出にも陰りが出始めており、景気が一時的に減速することは避けられない。

 また、インフレ率が上昇しているため、現在、政府は引き締め気味の金融政策を採っているが、当面その政策を変更することは難しい。インフレ率が上昇し、特に食料品価格が顕著に高騰していることもあり、国民からは不満の声が出ている。その声を無視した政策運営はできないからだ。

経済体質の転換が必要不可欠
北京五輪はまさに「分岐点」
 その一方で、北京五輪終了後には建設需要が一服する可能性があり、金融を引き締め過ぎると景気を冷やし込んでしまう懸念もある。そのため政府は、減税などの財政政策を動員して、景気の冷え込みを防ぐ方策を実施すると見られる。つまり、金融政策と財政政策とをツイストさせて、景気の腰を折らずに、インフレを退治する経済活動を円滑にすることを目指すことになる。果たして、これが上手く行くか、「やや不安がある」との見方を唱える経済専門家もいる。

 ただし、少し長い目で見ると、これだけ大規模な市場経済が動き始めたエネルギーは無視できない。日本の高度経済成長期にも、多少の問題はものともせず経済成長が続いたことを考えると、中国にそれができない道理はないだろう。勢いのついた中国経済が、本格的にスローダウンする可能性は高くはないと見る。

 むしろ、輸出の減速をきっかけに、国内需要を背景にした経済体質への転換が徐々に進めば、中長期的には高い経済誌得長を継続できるはずだ。特に、今後実施が予想される個人の所得税の課税最低限の引き上げなどによって、個人消費が盛り上がることも考えられる。

 中国経済の体質改善が進めば、中国だけに限らず世界経済も大きなプラス効果を与えることにもなる。逆に、それが難しくなると、中国の成長戦略の限界が露呈することにもなりかねない。その意味では、北京五輪を分岐点として、「中国政府の踏ん張りどころ」が本格的に訪れるのだ。
                                        真壁昭夫(信州大学教授)

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